« 日曜日は息子の日:万博プールガーデン(7月25日) | トップページ | 日曜日は息子の日:大人も楽しめるナンダーランド(8月1日) »

2010年8月 1日 (日)

大学もソーシャルメディアで根本的な改革を!レビュー:つぶやき進化論 「140字」がGoogleを超える!エリック クォルマン著

つぶやき進化論 「140字」がGoogleを超える! (East Press Business)

著者:エリック クォルマン

つぶやき進化論 「140字」がGoogleを超える! (East Press Business)

R+さんから、PDF献本をいただきました。ありがとうございました。

この、『つぶやき進化論』の原題は『Socialnomics』で、日本語訳では「みんなの経済」となっている。これは、一般人がソーシャルメディアを基盤として起こしている新しい経済のしくみで、大々的な広告よりも、個人レベルで発信される評価が消費者の購買意欲に影響をするというもの。つまり、実際の使用者からよい評判を得たものだけ売れる時代になる。

この本は企業を対象として書かれているけれど、他の分野にも適応できると思う。例えば、生き残り問題が深刻になっている日本の大学にかなり当てはまる内容だと思う。今はまだ、名門大学であることや、これまで長年公的に築かれてきた社会的イメージが多数の学生にアピールできているかもしれない。けれど、今後は、個人レベルで発信される学生や関係者からの情報がその大学の魅力を表現するようになる。そのときに、不満や要望などをきちんと拾えていないと悪評が高まり、その反対に、きちんと対応できていれば、よりその大学に合った学生を惹きつけることができるようにになるんだろう。そう考えると、これからの大学はきちんとソーシャルメディアというレバレッジの効くツールの重要性を理解して、使いこなせるようになっている大学と、そうでない大学との間にかなりの差が出てくるんじゃないだろうか。

じゃあ、どうしたらいい?とりあえず、情報は全部ウェブに載せて、なんでもデジタル化しておけばいい?著者は、デジタル化するだけでは不十分であり、根本的にビジネスモデルを変革する必要があると言う。

では、なにが違うのか?マーケティングに関しては、これまでのマーケティングの方法と、これからの求められるマーケティングの方法を、著者は6章に以下のようにまとめている。大学関係者の場合、「顧客」を「学生」、「社内」を「学内」「商品」を「カリキュラム」として考えてみてはどうだろう?

昨日までのマーケティング担当者の考え

  • 重要なのは、メッセージやブランドイメージがセクシーで魅力的なことだ。
  • とにかくメッセージで決まる。マーケティングが良ければどんなものでも売れる。
  • 私たちは顧客が何を買えばいいのか知っている。顧客は自分が本当は何を求めているのかを知らないのだから、それを勧めるのが仕事だ。
  • まず社内で商品やメッセージを開発して、それを一般の人に広める。

今日からのマーケティング担当者の考え

  • 重要なのは、顧客のニーズに耳を傾け対応することだ。
  • とにかく商品で決まる。他のあらゆる部署と連携を取り続けなくてはいけない。
  • 顧客にとって何が正解なのかは私たちには絶対にわからない。だからいつも顧客の声を聞いて調整を続ける。最初から答えがわかっていることなどほとんどない。
  • 商品を広める力は私たちより顧客のほうがたいてい大きい。顧客のアイデアを活用することができれば、みんなが得をする

要は、もう、一方向的な、静的な、押し付けがましい売りの教育の時代は終わったということ。ソーシャルメディアを利用して、双方向的な、動的な、ニーズに答えられる教育の時代が始まる。もちろん、いいことばかりではなく、非難や批判もあるとは思う。著者によると、ウェブ上に存在するそれらのコメントから目をそむけず、改善への一歩として考えるのが優れた企業だとしている。

日本でこれを実践している大手企業がある。それはソフトバンクだ。孫正義社長(@masason)がツイッター上で個人から寄せられる苦情や改善要求(もちろん絶賛の言葉も)を一つ一つ拾っていき、対応していく。そしてそれを「『やりましょう』進捗状況」としてソフトバンクのホームページに公開し取り組みを可視化する。これからの大学もまさに、こういう学生との直接的なやりとりが必要になってくるんだろう。

では、自分の大学・部署も含め、どうこの新しい分野・方法で動いていけばいいのか。著者が7章で紹介する「ソーシャルノミクスの世界で成功する方法」を書き出してみる。

  1. 誰かの成功を足掛かりにする。必ずしも一から築き上げる必要はない。自尊心は捨てよう。
  2. 地元の顧客を活用する。リアルタイムで作ったり直したりするのを手伝ってくれるのは彼らであることをしっかり認識する。
  3. 過度に投資しない。すばやくテストして修正できるような手軽なペータ版を作る。
  4. 自分が目指すものをじっくり考える。すべてを手に入れようとしてはいけない。そしてひとたび決めたなら、迅速に断固たる態度で臨む。

私の大学もまだ大学として公式にソーシャルメディアを使いこなせているレベルではないので、周囲を説得・納得させて、1日も早く双方向のコミュニケーションが行える、柔軟性の高い大学になれるようにしていこうと思う。

まずは・・・事務長にこのレビューを見せて、この本を読んでもらおうかな。

|

« 日曜日は息子の日:万博プールガーデン(7月25日) | トップページ | 日曜日は息子の日:大人も楽しめるナンダーランド(8月1日) »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

はじめまして!黒瀧と申します。
Twitterの本を探しておりましたらこちらのブログにたどり着きました。
とてもきめ細かい書評で非常に参考になります。
また細かく段落分けもされておりとても見やすいです♪
よい書評記事を拝見しました。
またブログにお邪魔しますね(^^)

黒瀧

投稿: 黒瀧 | 2010年8月16日 (月) 22時59分

黒瀧さま、
はじめまして。コメントありがとうございます!
そういっていただけると嬉しいです。
ブックレビューはまだ初心者なので自信がなかったのですが
黒瀧さんのおかげでこれからも続けていこうと思いました!
今後ともどうぞよろしくお願いします。

投稿: 熊井 | 2010年8月19日 (木) 08時09分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1374448/35985688

この記事へのトラックバック一覧です: 大学もソーシャルメディアで根本的な改革を!レビュー:つぶやき進化論 「140字」がGoogleを超える!エリック クォルマン著:

« 日曜日は息子の日:万博プールガーデン(7月25日) | トップページ | 日曜日は息子の日:大人も楽しめるナンダーランド(8月1日) »